内科・腎臓内科・消化器内科・肝臓内科
【 内視鏡検査対応 】
八丁堀いしかわ内科クリニック
東京都中央区八丁堀2-19-8
日宝八丁堀ビル1F
電話:
03-6262-8707

超音波検査

★超音波検査装置

近年、肥満、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常など生活習慣病の増加を背景に、メタボリック症候群が注目されていますが、肝臓への中性脂肪の蓄積(脂肪肝)がメタボリック症候群に高頻度に合併していることが知られています。また脂肪肝の中には、肝硬変や肝癌に至ることのある進行性の一群があることが明らかにされてきました。肥満人口の増加に伴い、健診にて肝機能の異常を指摘され、その原因が脂肪肝である患者様は増えております。

超音波診断装置が普及している日本国内では、その脂肪肝のスクリーニングは主として超音波Bモードによる検査が用いられていますが、一定の診断基準がなく、各施設がそれぞれの基準で診断しているのが現状です。また、「脂肪肝」の診断には肝生検がゴールドスタンダードとされていますが侵襲性が高く、また検体量は肝臓全体の5万分の1であるためサンプリングエラーの可能性も高く、脂肪肝の全例に施行することは現実的ではありません。そのため近年では、脂肪肝の診断、脂肪量の評価手法として、超音波の減衰を測定する専用装置が肝生検に代わるものとして認識されるようになりました。

当院で購入・設置致しましたキヤノンメディカル株式会社の超音波検査装置は、腹部検査用の標準的なプローブを用いて超音波周波数依存減衰を測定することのできる臨床アプリケーションであるATI(Attenuation Imaging)機能を搭載しております。

ATIでは、患者さんの身体に放射された超音波パルスが生体組織を通過する際に、吸収や拡散などにより次第に減少していく現象(減衰と呼びます)を用いて、正常な肝細胞と脂肪化した肝細胞の減衰量を測定し、数値化することが出来ます。この診断法を用いることにより、今まではMRI検査など大掛かりな検査法を用いなくてはならなかった初期の脂肪肝を数値化することが出来ます。また、生活の改善や運動の効果による脂肪肝の改善については、血液検査での採血検査でも判定できますが、注射の痛みが伴うことや、必ずしも直ぐに結果に反映されません。ATIを用いると、痛みの伴わない検査法を通じて、肝臓そのものの脂肪量を測定することが出来るため、何度も測定することの負担が少なく、脂肪肝の改善効果を経時的な数値の変化として認識することが出来ます。

脂肪性肝疾患は早く見つけることができれば治療することができます。

肝臓は『沈黙の臓器』と言われるように、進行するまで自覚症状が出ることがほとんどありません。
しかし、進行して肝硬変や肝がんになってしまうと、有効な薬も少なく、完治は難しいこともあります。

誤解される傾向にありますが、脂肪肝は痩せている人でもかかることもあり、外見からは判断できません。
特に、日本人はリスクのある遺伝子を欧米人より多くもっているといわれています。

私たちは、当クリニックに導入しました超音波検査装置を用いて、脂肪肝を早期の段階で発見し、少しでも早く治療を開始できることを目指しております。

日ごろの食事内容や運動不足に不安のある方、健診で肝機能の異常を指摘されたことがある方など、どうぞお気軽に肝臓専門医のいる当クリニックまで、お気軽にご相談下さい。


ATIによる脂肪肝診断の画像
(指定された領域の超音波パルスが減少していく現象をカラーで表示。減っていく量を測定することで、数値化を実現)