2型糖尿病や肥満症の治療、ダイエットとしても注目される「マンジャロ」。効果が期待できる一方で、「うつ」「眠気」「吐き気」などの副作用に不安を感じる方も少なくありません。
この記事は、マンジャロの副作用の症状や対処法、処方にあたっての注意点などを詳しく説明します。
副作用が出やすい時期や持続期間などもお伝えするので、マンジャロの使用を迷っている方は参考にしてみて下さい。
マンジャロについての知識を深めながら、安全性の高いダイエットへの第一歩を踏み出しましょう。
2型糖尿病の治療などで用いられる「マンジャロ」は、最近ではダイエット薬としても注目されています。
これからマンジャロを検討している方は、まずは正しい薬の知識を持つことが大切です。マンジャロがどのような薬なのか、効果や使用方法などについて詳しく見ていきましょう。
マンジャロとは、2型糖尿病の治療目的で開発された医療用医薬品です。
2022年に2型糖尿病の治療薬として保険承認されており、具体的には次の作用を持っています。
この2つの働きによって、血糖値の上昇をコントロールする画期的な治療薬です。特に肥満気味の方に適している治療薬であり、近年では減量をサポートとしてダイエット目的でも話題に。
しかし日本のクリニックで処方される場合は、ダイエット目的としては保険適用になりません。
あくまでも糖尿病治療を目的とした治療薬のため、減量、ダイエット目的で購入する場合は自由診療となります。
2型糖尿病の治療薬であるマンジャロは、脂肪を燃焼させスリムなボディラインを目指したい方におすすめです。
ではダイエット目的としては、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。マンジャロが痩せると言われる理由には、次の3つが考えられます。
マンジャロに含まれる成分「チルゼパチド」には、脳の中枢神経に作用して食欲を抑制する働きがあります。そのため食事制限しなくても自然に食事量が減り、カロリー摂取量の減少につながります。
「食べ過ぎてしまう」と言う方でも無理なダイエットを続けなくてよいため、ストレスが少ない点は大きなメリットでしょう。
甘い物や脂っこい物などへの欲が制御されるというケースも報告されており、リバウンドリスクが減る点もおすすめです。
マンジャロには、食後の満腹感を持続させるというメリットもあります。食事は胃の中で数時間かけて消化される仕組みとなっており、その後小腸に送られます。
マンジャロを服用することで食べ物が胃から小腸へ移行する速度がゆっくりになるため、満腹感が持続しやすくなるでしょう。
そのため食事量を減らしたり、次の食事までの余計な間食を減らすことにつながります。「間食しがち」「つい食べ過ぎてしまう」という方は、満腹感が持続するのは大きなメリットとなるでしょう。
マンジャロがダイエットをサポートするのは、インスリン分泌を刺激する働きがあるためです。膵臓から分泌されるインスリンは、血糖値を下げる唯一のホルモンです。
食事で上昇した血糖を肝臓や筋肉などの細胞に取り込ませることで、正常な血糖値を保つ作用を促すでしょう。
そのため食欲抑制するだけでなく太りにくい体作りをサポートし、結果として体重減少が期待できます。
特にお菓子など高糖質の食べ物を好む方は血糖値が上がりやすいので、マンジャロが有効となるケースが多いでしょう。
マンジャロは週1回、お腹や太ももに投与するだけという手軽な薬です。決められた曜日に皮下注射するだけとなっており、注射部位を毎回変えることで脂肪への負担を軽減。
もし投与する曜日を変更する場合は、3日以上空けることでサイクルを整えます。
マンジャロには2.5mg〜15mgまで6段階の用量があり、最初は2.5mgからスタートします。効果が見られない場合は2.5mgずつステップアップするため、必ず医師の指示にしたがって投与しましょう。
マンジャロはどのような方に適しているのでしょうか。マンジャロの使用がおすすめなのは、次のような方です。
マンジャロを投与すると食欲が抑えられるため、あえて食事制限する必要がありません。食事量が減ることで摂取カロリーも減るため、激しい運動をしなくても体重減少が期待できます。
マンジャロには脂肪分解の働きがあるため、脂っこい物が好きな方や内臓脂肪が多い方にとって頼もしい味方となるでしょう
他のダイエット薬が効かないという方は、試しにマンジャロに変えてみるのも1つの方法だと言えます。
マンジャロには食欲抑制・脂肪分解などを手助けする一方で、副作用が現れるケースもあります。
特に注意すべき5つの副作用について、詳しく見ていきましょう。
マンジャロの副作用としてよく報告されているのが、消化器の症状です。
★「吐き気・嘔吐」⇒有効成分によって胃に食べ物が残り続けることから、「気持ち悪い」と感じることがあります。
時には胃液が逆流して実際に吐き気や嘔吐してしまうケースもあります。
★「下痢・便秘」⇒胃の内容物の排出が遅れることで、便秘の原因となることがあります。
また用量を増加した時などに、軟便や下痢の症状が起こりやすいケースもあります。
これらの消化器症状はマンジャロを投与し始めた時期や、用量を増やした際に起こりやすいと言えるでしょう。服用を続けることで体が慣れてくるため、徐々に改善することが期待できます。
ただし日常生活に支障をきたすような場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。
マンジャロを投与することで、全身の倦怠感などのうつ症状が現れるケースもあります。
★「倦怠感」⇒低血糖や食欲低下などによる栄養不足が原因と考えられます。
また脱水によってうつのような症状が現れる可能性もあります。
★「眠気」⇒倦怠感によって疲れがとれず、眠気が続くケースもあります。
栄養不足などによってエネルギーが不足しており、疲労感や脱力感、眠気が取れない可能性があります。
★「頭痛」⇒倦怠感だけでなく、一過性の頭痛が起こるケースも報告されています。
低血糖によって血管の就職が起こることから、頭痛が起こると考えられます。
これらのうつ症状は体が薬に慣れることで改善する傾向にあるでしょう。ちなみに無気力な状態が続いたり、うつ症状が改善されない場合は早めに医師に相談しましょう。
マンジャロを注射することで、注射部位の赤みや腫れなどの症状が出る場合もあります。主に赤み、腫れ、かゆみ、痛み、内出血などの症状であり、注射による刺激や身体の反応が原因と考えられます。
反応は一時的なものですが、かゆみや腫れがひどい場合は次のような対策が有効です。
もし症状が長引く場合はアレルギー反応や感染症の可能性もあるため、早めに医師に相談するようにしましょう。
マンジャロは血糖値をコントロールする働きが期待できますが、まれに低血糖の症状が起こるリスクもあります。特に他の糖尿病治療薬と併用した場合や極端に食事量が少ないと、低血糖を引き起こすリスクが高くなります。
もし低血糖が起こると、次のような症状が現れます。
これらの症状が起こったら、すぐに砂糖やブドウ糖を含む飲食物を摂取しましょう。
【ブドウ糖を含む飲食物】
・ごはん・パン・麺類
・さつまいも・じゃがいも
・バナナ・りんご
・フルーツジュース・野菜ジュース
・栄養ドリンク
・ブドウ糖を含むサプリメント
激しい運動をしたり食事間隔が長い場合も低血糖になりやすいため、注意して下さい。もし気になる場合はブドウ糖が含まれる飴などを、普段から持ち歩くのがおすすめです。
マンジャロの副作用はうつや吐き気、眠気など一過性の症状であることがほとんどです。
しかし稀に重大な副作用が起こる可能性があります。重篤な副作用として報告されているいくつかの症状は、次の通りです。
急性膵炎になると、みぞおち部分の激しい痛みが起こり、背中に響くこともあります。胆のう炎や胆石では発熱や黄疸が見られたり、右上腹部の痛みが起こるケースもあります。
他にも発疹やかゆみ、呼吸困難や意識低下などのアレルギー反応が現れるリスクも。
もしこのような症状が1つでも現れた場合は、使用を中止して早急に医師の診察を受けて下さい。またこれらの病気や症状を過去に起こした方は、投与する前にあらかじめ医師に相談することをおすすめします。
これからマンジャロを始める方の中には、気になるのは副作用がどれくらい続くか不安な方も多いでしょう。
そこで副作用が見られる時期や対処法について、見ていきましょう。
これからマンジャロを始める方の中には、気になるのは副作用がどれくらい続くか不安な方も多いでしょう。
そこで副作用が見られる時期や対処法について、見ていきましょう。
マンジャロの副作用は、投与を始めてから数日~数週間以内に現れます。特に吐き気や下痢などの消化器症状は早い段階で見られることが多く、初めて投与した際に現れるケースもあります。
マンジャロは2.5mgからスタートして徐々に用量を増やす方法が一般的ですが、用量を増やすと副作用が出ることも多いでしょう。
しかし投与を続けていくと体が慣れてくるため、副作用の多くは数日中に収まることがほとんどです。
とはいっても用量を増やすとぶり返すこともあるため、注意が必要です。もし数週間続く場合や日常生活に支障をきたす場合は、速やかに医師に相談しましょう。
マンジャロの副作用を感じたら、どう対応したらよいでしょうか。副作用を和らげるいくつかの対処法を紹介します。
一度に多く食べると胃腸に負担を与えるため、少量ずつ分けて食べるのがおすすめです。脂っこい物や刺激物を避けて、おかゆやうどん、りんごなど胃腸に優しい食べ物を選びましょう。
揚げ物や炒め物よりも「煮る」「茹でる」調理法に変えることで、胃腸の負担を減らすことが可能です。
脱水症状を防ぐために水分をこまめに摂取し、アルコール・カフェインなどを控えるのもおすすめです。
また同じ場所に注射すると腫れやかゆみが出やすくなるため、注射する部位を毎回変えると皮膚への負担が少ないでしょう。もし対策しても症状が改善しない場合は、我慢せずに早めに医師に相談することが大切です。
マンジャロは全ての方が投与できる訳ではありません。
マンジャロの投与ができない方、慎重に投与すべき方は次の通りです。
次のような方は、マンジャロを投与してはいけません。
これらのケースに当てはまる方は、マンジャロを使用できないため注意が必要です。
他にもBMIが18以下の方や副作用のリスクが高いと判断された場合、投与できないケースもあります。少しでも心配なことがある場合は、まずは医療機関で相談してみて下さい。
マンジャロを投与できない方以外にも、慎重に検討する必要があるケースも少なくありません。次のような方は、自己判断せず医師に相談して下さい。
上記に当てはまる場合、自己判断せずにまずは医師に相談しましょう。もし使用中に副作用が現れた場合も、早急に医療機関へ連絡してください。
マンジャロを投与する際は、併用に注意すべき薬がいくつかあります。
マンジャロは胃の動きを遅らせる働きがあるため、ピルの吸収に影響を与える可能性があります。絶対に禁止されている訳ではありませんが、避妊目的でピルを使用する方は他の方法を検討するのがおすすめ。
血液をサラサラにするための「ワルファリン」も、マンジャロとの併用が難しい薬です。効果が強すぎて出血しやすくなったり、逆に効果が弱いと血栓のリスクが高くなるリスクも。
ちなみにマンジャロは2型糖尿病の治療薬のため、他の糖尿病治療薬と併用する場合も注意が必要です。併用することで低血糖のリスクが高くなり、ふらつきや眠気、冷や汗などの症状が現れる可能性があります。
これら以外にも他の薬と併用する場合は必ず医師に相談した上で使用し、定期的な経過観察を受けましょう。
これからマンジャロの購入を検討している方は、副作用を軽減させながら安全に使用することが大切です。
マンジャロを購入する際には、次のような点に気をつけましょう。
マンジャロは2型糖尿病の治療薬ですが、ダイエット目的の場合は保険適用になりません。ダイエット目的は自由診療となるため、購入する場合は全額自己負担となります。
薬∔診察代を合わせると1ヶ月あたり¥5,000~となり、オンラインクリニックでは¥25,000〜と高額になるケースも。
料金は医療機関によって異なるため、購入を検討する際はいくつか比較することをおすすめします。
安く購入できるからといって、個人輸入するのはやめましょう。個人輸入で入手できるマンジャロは正規品である保証がない上に、偽薬が混ざっているケースも少なくありません。
毒成分が検出されて死亡事例が報告されているケースもあるため、安全性が不確かです。
マンジャロを購入する際は必ず、信頼できる医療機関で処方してもらうようにしましょう。
もし忙しくて病院へ行く時間がない場合は、手軽に受診できるオンラインクリニックで処方してもらうのがおすすめです。
マンジャロを使用する際は、医師の指示に従うようにしましょう。マンジャロには副作用が起こるリスクがあり、特に使い始めや用量を増やした時に起こりやすいとされています。
副作用のリスクを減らすためにも、自己判断で用量を増やしたり使用間隔を短くするのはよくありません。医師の指示に従って決められたスケジュールで投与し、副作用がひどい場合はすぐに相談しましょう。
またマンジャロを投与している期間は、定期的に診察や血液検査を受けることが必要です。血糖値や体重などをチェックして、経過観察しながらダイエットを進めていきましょう。
マンジャロの治療を中止すると食欲抑制や満腹感が続く効果がなくなるため、体重が増加する可能性があります。
そのため食事量が増えたり血糖値が上がりやすくなるなど、リバウンドしやすい状態になってしまうでしょう。リバウンドを防ぐためには、食事や運動などの生活習慣を見直すことが大切です。
十分な睡眠をとりながら早寝早起きで生活リズムを整えて、規則正しい生活を心掛けましょう。食事量が増えるとリバウンドしやすくなるため、脂肪分・塩分に気をつけて食べ過ぎないことが大切です。
普段から食べ過ぎる傾向がある方は、これを機に食生活を見直し健康的な体作りをしましょう。食べ過ぎにはストレスが関連していることも多いため、ストレスを溜めない・発散する方法を見つけることもポイント。
普段からリラックスする時間を確保し、自分に合ったストレス解消法を取り入れましょう。
マンジャロの投与による副作用が続く場合は、我慢せずに医療機関へ相談するようにしましょう。軽い吐き気やめまい、眠気などの副作用は一時的であることが多いため、様子を見てもよいでしょう。
しかし次のような症状が続く場合は、注意が必要です。
日常生活に支障をきたすような症状が続く場合や、症状が改善しない場合は投与をすぐに中止して下さい。
急性膵炎や胆のう炎・腎障害などの重篤な症状の可能性もあるため、ただちに医療機関を受診しましょう。
マンジャロに関するよくある質問をまとめました。
これから投与を検討している方は、気になる疑問を解決するために役立てて下さい。
A:マンジャロの注射では、次のようなことに気をつけましょう。
マンジャロを保管する際は、高温や直射日光を避けて冷蔵庫で保管しましょう。もし冷蔵庫で保管できない場合は、30℃を越えない場所で保管するのがポイントです。
投与する際は注射部位をしっかり消毒し、感染症のリスクを減らすことも大切です。
同じ場所に投与すると腫れやかゆみなど皮膚トラブルが起こりやすくなるため、毎回違う場所に打つようにしましょう。
A:マンジャロを投与すると、数週間で食欲抑制、満腹感の持続などを感じることが一般的です。
一般的には3〜6ヶ月かけて体重が減少したり、血糖値のコントロールが改善されることが多いでしょう。
とはいっても効果の表れ方には個人差があるため、一概には言えません。またマンジャロの投与だけでなく食生活の改善や運動習慣など、あわせて生活習慣を見直すことも大切です。
A:病気の治療で薬を服用している場合、マンジャロとの併用には注意が必要です。
治療薬によっては効果が強くなったり弱くなったり、体に悪影響を及ぼすケースも少なくありません。
副作用を避けるためにも、併用する際はまず主治医に相談しましょう。
マンジャロを病院以外で購入するのはおすすめできません。インターネットなどで個人輸入することも可能ですが、安全性が保証されていません。
厚生労働省の調査によると過去に死亡事故が報告されているケースもあるため、かなり危険性が高いでしょう。
マンジャロを安全に使用するためにも、医療機関やオンラインクリニックで購入することをおすすめします。
今回はマンジャロの副作用や対処法、購入する際の注意点について解説しました。
マンジャロは2型糖尿病や肥満症の治療、ダイエットで有効な選択肢ですが、うつや眠気、吐き気などの副作用が懸念されます。
しかしほとんどの症状は一時的なものとなっており、食事や服用の工夫によって症状を和らげることも可能です。
とはいえ体調に違和感を感じたら自己判断せず、すぐに医師へ相談しましょう。副作用のリスクはありますが、正しい知識や医療機関のサポートを受けることで安全に服用することが大切です。
マンジャロを検討している方はまず医療機関に相談することで、安全な治療への第一歩を踏み出しましょう。